
持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、創業者兼CEO 岡田光信)の英国子会社であるAstroscale Ltd(以下「アストロスケール英国」)はこの度、英国国防省の執行機関である国防科学技術研究所(Dstl)より、515万ポンドの契約を獲得したことをお知らせいたします。
宇宙インフラへの依存が世界的に高まる中、宇宙天気、軌道混雑、軌道での敵対的行動、といった脅威も増加しています。保険市場「ロイズ・オブ・ロンドン」によると、深刻な太陽嵐などの極端な宇宙天気事象は最大2.4兆ドルの世界経済損失を引き起こす可能性があり、電離層の乱れは衛星通信、ナビゲーションシステム、重要な防衛インフラに深刻な影響を及ぼすとされています。
本契約において、アストロスケール英国はサブコントラクターであるOpen Cosmosと提携します。迅速な宇宙データ取得を可能にする高度なCubeSatソリューションを提供するOpen Cosmosは2機のほぼ同一の小型衛星を設計・製造し、アストロスケール英国は軌道上での実績と経験を活かし、編隊飛行を行い重要なデータを収集するこれらの衛星を運用します。また、電離層を観測するためのペイロードは、米国海軍研究所、バース大学、Surrey Satellite Technologyが開発しています。
本プロジェクトは2028年までの3年間で設計から打上げ、運用までのミッション全体を実施します。地政学的・環境的リスクが高まる中、オルフェウスミッションは、英国および同盟国の宇宙運用を保護するための重要な知見を提供します。
アストロスケール英国社長 ニック・シェーブのコメント「Dstlオルフェウスミッションは、防衛分野および国家安全保障を支援する革新的なミッションを提供する我々の能力を示す重要な機会です。2021年のELSA-dミッションや2024年のADRAS-Jミッションでの実績を活かし、ミッションの成功だけでなく英国の国際的価値を示すことに貢献してまいります。」
Dstl CEO ポール・ホリンズヘッド博士のコメント 「宇宙天気の変化は、ナビゲーション、通信、データ伝送を担う衛星に重大な影響を与える可能性があります。国際的なパートナーとの協力による宇宙研究への継続的な投資は、英国の宇宙における利益の安全を強化します。」
Open Cosmos CEO ラフェル・ジョルダ氏のコメント 「宇宙領域把握(SDA)を強化するオルフェウスミッションでアストロスケール英国と協力できることを大変嬉しく思います。我々の衛星ソリューションは、電離層を観測し宇宙インフラを守るための重要なデータを提供します。このミッションは、イノベーションを推進するとともに、宇宙資産の安全を確保するための協力の力を示すものです。」
本契約は、Serapisフレームワークの下、同フレームワークのリード企業であるBAE Systemsを通じて締結されました。