
持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、代表取締役社長兼CEO 岡田光信)の英国子会社であるAstroscale Ltd.(以下、アストロスケール英国)はこの度、D-Orbit及びClearSpaceと共同で、英国政府の科学・イノベーション・技術省(以下、DSIT)のRegulatory Sandbox(規制のサンドボックス)プロジェクトの調査契約を受注し、契約金0.69百万英ポンド(税抜、1.3億円)を獲得したことをお知らせいたします。
規制のサンドボックスとは、新しい技術やビジネスモデルの社会実装に向け規制の見直しに繋げていくための施策で、今回のプロジェクトでは革新的なRPO(ランデブ・近傍運用)ミッションを試し、新規技術とその意義について規制当局の理解を深め、最終的には英国の経済成長を促すとされているRPO分野の法規制の実現を目指します。
Northern Sky Researchのレポートによると、組み立てや製造を含む軌道上サービス(以下、ISAM)は市場価値が高いマーケットとされ、10年後には世界で約2兆円規模になると予想されています。さらに、UKspaceのレポートによると、その内25%を英国が獲得すると見込まれており、ISAMにおける英国のグローバルなリーダーシップのために、DSITはRPOのための規制のサンドボックスプロジェクトに出資することを決めています。
グローバルなISAM市場のシェアを獲得するためには、技術、法律、そして規制に関する大きな壁を乗り越えなければならず、規制当局との共通理解や標準化の欠如、革新的なミッションを推進しながらも安全な運用を可能にするバランスの取れた法規制の必要性、RPOを可能にする技術とビジネスケースなどがRPOミッションを実現するための今日の課題として挙げられます。RPO事業者として、アストロスケール英国、D-Orbit及びClearSpaceはコンソーシアムを立ち上げ、このプロジェクトを通してこれらの課題解決に向けて共に働きかけます。
英国の民間航空局(Civil Aviation Authority)や英国政府機関といった独立規制当局と協力しながら、産業の立場からRPOを含む新規技術のライセンス付与に関するボトルネックや不確定要素を特定した上で改善策を提示し、RPO市場の経済成長を促します。
アストロスケール英国、D-Orbit及びClearSpaceは、この新規市場の成長には、現在の法規制の不確定要素を取り除き、共通認識を作ることが大事だと長らく感じてきました。法規制分野における三社の今までの活動を基盤に取り組まれるこのサンドボックスプロジェクトは、RPO事業者とそのサービスを受ける顧客どちらにとっても、確実性を高める大きな一歩となります。
