
アストロスケール英国はBAE Systemsと協力し、循環型宇宙経済の実現に取り組み、宇宙産業で最も急成長している組み立ておよび製造を含む軌道上サービス(ISAM)分野における英国の発展をサポートします。
アストロスケールの既存のサービサー技術を基盤に、BAE Systemsの衛星のアップグレードを可能にする軌道上改修とアップグレードのサービス開発のための6ヶ月におよぶ実現可能性調査を完了しました。
長期目標は、2030 年までに軌道上実証ミッションを実行することです。
持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、代表取締役社長兼CEO 岡田光信)の英国子会社であるAstroscale Ltd.(以下、アストロスケール英国)はこの度、軌道上の衛星の改修とアップグレードの技術開発のための実現可能性調査を完了したことをお知らせいたします。
欧州宇宙機関(ESA)の"Systems Studies for a Circular Economy in Space(宇宙における循環型経済のシステム研究)の一環として、アストロスケールはBAE Systemsと共同で軌道上改修・アップグレードサービス(In-Orbit Refurbishment and Upgrading Service, 以下、IRUS)を開発し、宇宙における現在の使い捨て文化からの脱却を促進します。この初期システム研究は、将来の商業サービスに向けた次のステップに貢献します。
このIRUSプロジェクトでは、アストロスケールの既存技術をベースに、BAE Systemsのクライアント衛星とランデブーできるサービサー衛星を設計します。クライアント衛星は、モジュール式のサービス可能な方法で開発され、サービサーが宇宙空間で特定のモジュールをロボットでアップグレードできるように設計されます。
特注の太陽電池アレイと衛星電池サブシステムの国際的な大手メーカーであるDHV Technologyこのプロジェクトにも参加しており、実現可能性調査では太陽電池技術の改修やアップグレードの影響や応用可能性の調査を行いました。
2030年から2040年にかけて、何千基もの衛星が地球の低軌道に打ち上げられると予想されており、循環型ソリューションが必須です。機能していない衛星を除去せずに、改修やアップグレードによって衛星という軌道上の資産を最大限に利用することは、より持続可能な宇宙経済への移行における重要なステップとなります。
アストロスケール英国は、ESAの”Systems Studies for a Circular Economy in Space(宇宙における循環型経済のためのシステム研究)”の募集に参加した4つの競合コンソーシアムのうちの1つをリードし、プロジェクトの最終審査の結果、IRUSが次のステップに進むことになりました。サービス・プロバイダーのアストロスケール英国とBAE Systemsは、ESAの専門家と協力してミッション・コンセプトをさらに発展させ、11月に開催される次回のESA閣僚会議で支持を集める予定です。
この実現可能性調査によって、2040年までに軌道上での改修とアップグレード・サービスを宇宙産業の標準とするための長期的な技術ロードマップの作成が可能となり、中期的な目標として、2030年までにIRUS軌道上実証(IOD)ミッションを実施します。
IRUS は、2021 年に ELSA-dで技術実証されたアストロスケールのEnd-Of-Lifeサービスを補完します。2026 年に軌道上実証ミッションが予定されているELSA-Mのサービサー衛星は、寿命を迎えたEutelsat OneWeb の衛星を除去します。